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アラサー夫婦で世界一周中◎

【ペルー アレキパ】アレキパの闇営業と親切なディエゴ 2020.6.17-7.14

こんにちは、夫yuです。
いつもにも増して、更新が滞っていました。
何故かは、この記事を読んでいただければ判るかと思います。

ことの発端は、僕がディエゴにある相談を持ちかけたことでした。
ペルーの通販サイトで、欲しい商品を見つけたのですが、ちゃんと発送されるのかが不安だったので、電話で聞いてみてくれないか頼んだのです。

何故、こんなお願いをしたかというと、ロックダウン下のペルーでは、生活に必要な物品以外の州間の物流が制限されているからです。
つまり、娯楽品なんかは、アレキパに在庫がないと手に入らないということですね。

僕のお願いを、ディエゴは快く聴いてくれて、すぐに電話をかけてくれました。
しかし、誰も電話に出ません。
ホームページを見て、他の番号にも掛けてくれたのですが、結局、誰も電話に出ませんでした。
もしかしたら、コールセンターすら営業していないのかもしれません。

望みを絶たれて落ち込んでいる僕を見兼ねたのか、ディエゴが、「今から買いに行こう。」と言ってくれました。

ディエゴの親切心は嬉しかったですが、おそらく無駄足に終わるだろうなと思いました。

何故なら、ここ数日、僕ら夫婦も、色々と調べて街中を探し歩いていたからです。
しかし、いくら探しても、その商品を売っている店を見つける事は出来ませんでした。
電気街(今は営業停止中)の近くを歩いていると、新品のプリンター(何故か、プリンターを買っている人が多い)を抱えた人をよく見かけたので、何処かに開いている電機屋があるのではないかと探すのですが、ついぞ、見つける事はできませんでした。

すぐに支度をして、ディエゴと出掛けました。
てっきり、遠くの店舗に車で行くのかと思いきや、徒歩のようです。
そして、行き着いた先が、先日僕らも行った電気街、Don Ramonでした。
相変わらず、人出は多いのですが、全ての店がシャッターを閉めています。

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ディエゴは道中、僕に言いました。
「交渉は全部、俺がするから、君は喋ってはいけない。外国人だとわかると、吹っ掛けられるからね。」と。そして、「息子だってことにしようか。」と言って笑いました。

なので、ディエゴがどうするのか大人しく見ていると、彼は、シャッターの前に立っている人達を捕まえては、誰が商品を売っているのか、尋ね始めました。
そして、辿り着いたのが、この貼紙でした。

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Lobitoという名前と連絡先だけが書かれた簡素な貼紙。スペイン語を話せない僕らでは、到底辿り着けないわけです。
そして、これですべて合点がいきました。

シャッターの前に立っている人達は、Don Ramon
に入っている小売店の店主だったようです。
営業停止の中、店舗は閉めつつも、路上で売買をしていたわけですね。
店主がそこにいない場合であっても、貼紙の番号に連絡すれば、商品を持ってきてくれるということのようです。

あの新品のプリンターを抱えていた人達は、そうやって商品を購入した人か、客から連絡を受けた店主のどちらかだったのでしょう。

要は、みんな闇営業をしていたと言う事です。
見れば、シャッターにはあちこちに貼紙がしてありました。

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これなんかは、比較的わかり易い表。

早速、ディエゴがロビートに連絡をしてくれて、明日の朝10時、宿に来てくれることになりました。
値段は、日本の定価よりは少し高いですが、先の通販サイト等よりはかなり安いものでした。
「ちゃんと目で確かめて、触って、確認して買うんだよ。」ディエゴは何度も言いました。

翌朝、遠足当日の小学生のようにソワソワと早起きをしてしまいました。
10時少し前にロビーに下り、ディエゴと共に、近くのスーパーまでロビートを迎えに行きました。

すると、赤いキャップを被った小太りな男が近付いてきました。
「彼だよ。」ディエゴが言いましたが、彼は手ぶらでした。

「違うんじゃない?」
「いいや、彼だよ。」

彼がロビートでした。
よく見れば、A4版くらいの小さなリュックを背負っていて、そこから商品を一つだけ取り出しました。
妻と僕の分、2つ必要でしたし、なんなら周辺機器とか付属品とか、色々とセールスしてくれるのかと思いきや、そんな商売っ気はないらしく、拍子抜けしました。
とりあえず、一つ買って、代金を支払いました。
支払いのときも、ディエゴが一度確認を挟んでくれたので安心でした。

そして、仕方がないので、また明日、同じ時間にもう一つ持って来てもらうことにしました。

翌朝、待てど暮せど、ロビートは来ません。
ディエゴが電話しても出ないようです。
ガッカリして、一つで我慢するしかないかと思っていたところ、昼過ぎ頃に連絡がついたらしく、ディエゴが、今から行こうと言ってきました。

再度、Don Ramonに着くと、ロビートが近づいてきて、またあのリュックから一つだけ商品を取り出しました。
路上で商品を開封して動作確認をするのは少し嫌でしたが、これでようやく二つ揃いました。

この2ヶ月、これを手に入れる為にどれだけの時間を費やして来たことか。

これからは、この軟禁生活で退屈することはなくなるでしょう。

ディエゴには、本当に感謝してもしきれません。

この一月ほど、僕らがゲーム三昧の日々を送れているのは、ディエゴのおかけです!

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最後に、漸くディエゴの名前を聞く機会がありました。
エトロというそうです。ありがとうエトロ。